「辺野古建設強行するなら、沖縄は独立すべき」琉球大の島袋純教授が明言

「もし憲法が改正されるようなことがあれば、ただちに沖縄は独立すべきだと思います」
この言葉に会場は一瞬静まりかえり、どよめきが広がった。

8月23日、静岡県内で開催された、米軍基地の辺野古移設反対派による講演会。「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」(以下、「島ぐるみ会議」)の国連部会長を務める島袋純・琉球大教授(54)は、満員の聴衆を前に講演し、独立への意気込みを語った。

島袋教授は、9月20~23日に予定されている翁長県知事の国連人権理事会での演説をセッティングしている責任者でもある。この日は、辺野古での反対運動、「島ぐるみ会議」の取り組みについて、一通り解説したあと、自らの専門である翁長知事の国連演説について言及した。

関係者によれば、「独立」発言が突然飛び出したのは、講演会後半の質疑応答での出来事だったという。「琉球独立の可能性」について問われた島袋教授は、堰を切ったように「独立」への思いを熱く語り始めた。

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「あの憲法改正案が通れば、おそらく日本の立憲主義は終わりです。私は、だからもし憲法改正、国民投票をやって、その時、憲法が改正されるようであれば、ただちに沖縄は独立すべきだと思います。これは必ず視野に入れておかないといけない」

自己決定権の重要な権利の一つは、憲法制定権です。沖縄の人々は、沖縄のために自由に政治的地位を決定することができる。憲法を制定して自分たちの独自の独立した主権国家の制度を作ることもできる」

「私は日本の立憲主義が崩壊するときは、必ず沖縄は独立すべきだと思っています」

「沖縄独立」が「辺野古移設」交渉カードに!?

島袋教授は、さらに続けた。

辺野古が強行に建設されるようなことであれば、もはや日本の立憲主義は崩壊したものとみて、沖縄全体でも、私を含め、独立派は非常に強くなると思います。ですから、今の状況は非常に分岐点ではないかなと」

「もうすでに、「いや、もう日本政府はだめだ。日本国民もだめだ。もう独立しかない」という人は多いんですよ。どんどん増えている。」

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つまり、「政府が辺野古への基地建設(注:反対派は「移設」ではなく「新基地建設」だと主張する)を強行した場合は、独立運動を活発化させるぞ」ということだ。

「私を含め」と自分自身もいわゆる「琉球独立派」のメンバーであることをはっきりと肯定しているばかりか、「独立」をちらつかせて、政府との基地移設をめぐる交渉を有利に運びたいという思惑が見え隠れする。

 

島袋教授の主張からみえる、左翼の論理

この日の講演の全貌は明らかにはなっていないが、その一部が、現在、YouTubeで公開されている。1時間以上に及んだという講演のうち15分弱の短い動画ではあるが、この中からいくつかの注目すべき論点を挙げることができる。

(1)キーワードは「自己決定権」

琉球独立運動のキーワードは、やはり「自己決定権」だ。島袋教授は自己決定権を「政治的地位を自由に決められる民族自決権」であると述べている。政治的地位とは、自分たちがどこの国に属するのか、日本の一部なのか、中国の一部なのか、それとも独立した国家なのか、という、帰属する国家を自ら決めることを含んでいる。

民族自決(みんぞくじけつ、self-determination)とは、各民族集団が自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織、政治的運命を決定し、他民族や他国家の干渉を認めないとする集団的権利のこと。「民族自決権」も「自己決定権」も、ともに英訳では〈self-determination〉とあらわされる。

(2)基地問題を「人権問題」「民族差別」にすり替え

そもそも、米軍基地の移設問題は国防問題であり、国家の安全保障の問題である。しかし、なぜ翁長知事は国連の「人権理事会」に登壇し、基地問題を世界に訴えるのだろうか。それは、反対派が基地問題を「人権問題」にすり替え、「大和民族による琉球民族への差別」という構図を創り出して日本政府に国際的圧力をかけ、基地移設を断念させようと目論んでいるからに他ならない。

(3)「人民」を連呼する島袋教授

島袋教授は講演で、何度も「沖縄の人民」という言葉を連呼した。この場合の「人民」とは、民族が自決権を行使する単位としての「people=人民」を指す。島袋教授の公式サイトによれば、〈沖縄の人々は、独自の主権国家を作り出しうる、国際法上の単位「人民(People)」(一般にいわれる民族自決権の「民族」)である〉とのことで、「人民(=people)」は琉球独立派共通の概念である。彼等が「人民」と呼ぶ場合は、独立を前提とした琉球民族の人々という意味が込められている。

戦前の植民地がほとんど独立した現在、主権国家として独立する権利を行使できるのは、国家内部の「先住民族」「少数民族」だけである。つまり、沖縄の人々と本土の人間が同じ民族であれば、独立はできないのだ。だから独立派は、「琉球民族と大和民族はまったく別の民族」と主張するのである。

また、沖縄が国際的に独立を承認されるためには、本国から「弾圧されている少数民族」であることが条件となっている。そのために、彼等はあらゆる手段を使って「差別」「弾圧」を強調する。独立派が国連の「人種差別撤廃委員会」「人権理事会」などに働き掛けをしているのは、そのためだ。

大阪弁や東北弁と同じように、単なる地方の方言に過ぎない「島くとぅば」を、琉球民族の言語と主張し、「島くとぅばを話す権利」をわざわざ議会で決議するのも、この流れの一部である。

 

 琉球独立派に乗っ取られつつある「島ぐるみ会議」

那覇市長だった翁長雄志氏をかつぎ上げて知事選を戦い、翁長氏を知事にまで押し上げた「島ぐるみ会議」。その88名の発起人の中には、かなりの数の「琉球独立派」の活動家が入っており、すでに重要なポジションに就いている。

その筆頭は、もちろん国連部会長・事務局次長でもある島袋純教授である。

「島ぐるみ会議 権利章典作成委員会」の宮城恵美子副会長は、琉球独立派の同人誌「うるまネシア」に寄稿し、この「島ぐるみ会議」を、ゆくゆくは琉球憲法制定会議にしたいと述べている。

私は、なぜ参加するのか。私は島袋純氏とこれまで、琉球歴史研究会や沖縄平和市民連絡会、そして「100人委員会」で沖縄の自己決定権の獲得を目指す立場を共有してきた。その立場から「会議」をゆくゆくは憲法制定会議の方向にもっていけないかと考えての参加である。「琉球民族独立総合学会」が研究・学習するグループとすれば、この「会議」は「琉球弧の憲法制定の横断会議」に持っていけないか。各地域で人権の学習・運動を行い、権利章典を作成しながら沖縄の人権尊重と憲法制定運動を作っていく。沖縄の将来像が作れるか議論できる大衆運動の基盤として「会議」が役立てられないかという期待である。(「うるまネシア」18号より)

 

「島ぐるみ会議」の準備委員・発起人の一人である高良勉氏は、琉球独立学会の創立メンバーでもあり、独立後の憲法である「琉球共和社会ネットワーク型連邦・憲法私案」を起草・発表している。

私たち、琉球弧の自治・自立・独立をめざす運動は、このような琉球人民の闘いの歴史を大切にし、その教訓を継承し活用すべきである。とりわけ、琉球独立を実現するためには広範な協労(統一)戦線と島ぐるみ運動がなければならない。(「うるまネシア」18号より)

また、高良勉氏は、琉球臨時政府国連加盟を承認されるという、以下のパロディ新聞の企画・制作者でもある。

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「島ぐるみ会議」事務局の平良識子・那覇市議(社会大衆党)もまた、「琉球弧の先住民族会」という独立派団体のメンバーであり、島袋教授とともに国連部会チームとして国連本部を訪問している。

 

知事の国連演説に仕掛けられた「罠」

「2002年頃は、まさかこんな日は来ないだろうと安易に考えていた――」 静岡で島袋教授がぽつりと漏らしたように、知事の国連演説は、琉球独立派にとっては悲願であった。

翁長知事が、国連という晴れ舞台で「自己決定権(self-determination)の回復」を訴える日まで、あと1カ月を切った(※知事の国連演説は9/20~9/23予定)。琉球独立学会と琉球新報が仕掛けたこの茶番劇に、どのような「罠」が仕掛けられているのか、まだほとんどの沖縄県民は気づいていない。

翁長知事の国連登壇を、強力にバックアップして実現させたのは、国連安保理の常任理事国であり、沖縄を虎視眈々と狙っている中国であることを忘れてはならない。

※参照 「うるまネシア」18号
http://www7b.biglobe.ne.jp/~whoyou/urumanesia20140623.html

※島袋純教授に関する過去記事