「日韓合意」「おわび」は、海外でどう伝えられたか【青山繁晴】

青山繁晴

実は私は今、アメリカに来ています。アメリカ滞在中に、日韓合意というとんでもない大きなニュースが、突然年末に起きました。

まず冒頭から申し上げますと、この合意は間違いです。間違った決断を、安倍総理はなさったということです。この日韓合意というのは、珍しくアメリカでもニュースになっています。日本で起きたことは、実はほとんどニュースにならないのですが、これは結構ニュースになっています。

どう報道されているかというと、「日本政府は、日本軍が韓国の女性をsex slaves(性奴隷)として使っていたことを認めた。それで謝罪し、10億円という大金を補償した」と報道されているんですね。

これは、安倍総理や外務省が言っている中味と違いますよね。これはまったくの嘘なんですけれども、アメリカで報道されていることは、要は日本軍が20万人におよぶ女性を性奴隷として使っていた。そして、その大半は韓国の女性であると。これもアメリカ国内でたった今、報道していることなんです。この20万人という数字は、工場に(女子挺身隊として)動員された人たちを全部含めてしまっためちゃくちゃな数字です。しかも、実際、戦争中に「慰安婦」と呼ばれる方々はいらっしゃったんですけど、大半は日本の女性なんですよね。

事実に反することがアメリカで報道されているだけではなく、例えばイギリスの公共放送であるBBCでも、ほとんど同じ報道がされています。

今回の日韓合意を、外務省は英語でどう発表したか

これは皆さん、日本の外務省のホームページにアクセスしていただいて、そこに今回の日韓合意について、英文ではどう言っているかということを、ワンクリックで簡単に見ることができます。それをぜひ見ていただきたいんですけれども、その冒頭には、

The issue of comfort women, with an involvement of the Japanese military authorities

と書いてあります。

※ 外務省HP(英語) http://www.mofa.go.jp/a_o/na/kr/page4e_000365.html

もう、これで“アウト”です。

なぜかというと、“an involvement of the Japanese military authorities”というのは、岸田外務大臣は「日本軍の関与の下、こういうことがありました。すみません」ということを言われましたよね。この“an involvement ”というのは、involve(含める)の名詞形で、言い方はやわらげているけれども、今まで韓国などが言ってきたことを全部まとめて、日本軍がやりましたと言っているという意味にしかなりません。

なおかつ、今言いました“comfort women”という英語ですが、こういう英語がもともとアメリカやイギリスにあったと思いますか? まったくありません。これは奇妙な英語なんですけれども、「慰安婦」をそのまま外務省の官僚が訳したものです。要するに、もともと売春行為は戦争中も戦争でない時にもたくさんあったわけで、現在も世界中であります。特に戦時中は高価な支払いがあったわけです。

それを普通に言えばいいのに、それを“comfort women”という奇妙な英語にしたために「特別なものがあったのだ」という誤解がもともとあったんですけれども、今回の日韓合意の英訳によって、もう一度言います。外務省が公式に訳した英語によって、日本軍が性奴隷にしていたのだということを、全部認めたということに、もうすでになっています。

したがって僕は冒頭、これは間違いだと言いましたが、これは僕の考え方やイデオロギーによって言っているのではなく、まさかこれを外務省や安倍総理が待っていたのではないでしょうということを、客観的に申し上げただけなんですね。

ある94歳の韓国人女性の証言「慰安婦は募集だったんだよ」

この騒ぎの中で、僕のブログにこのようなメッセージが届きました。韓国人男性と結婚し、韓国に嫁いで15年になるという日本人女性からのメッセージです。

「私の夫の母、韓国人の義理の母なのですが、今年で94歳。日帝時代をリアルタイムで生きてきた方です。」

この義理のお母様の前で、この日本人の奥さんが慰安婦の件で「日本は悪いことをしたと、たくさんニュースで報道していますね」と、思わず口に出したところ、この韓国人の義理のお母様がこうお答えになったそうです。

あれは募集だったんだあの当時、日本に行った人たち(韓国人)は、もらうものはちゃんともらって帰って来ていたんだよ。

戦争が終わって韓国にいた日本人がみんな日本に帰ろうとする時、韓国人は日本人の家もお金も物も、みんな奪ったりしたんだ。

韓国に来た日本人は、するべきことをみんなしてくれた。日本人がみんな作ってくれたから、韓国はここまで発展してこれたという人もいるんだよ。韓国が作ったものなんて、何一つないよ。それなのに韓国人は、日本人をイルボンノム(日本人を侮辱した言い方)と言って、悪口を言うんだよ。どうしてなんだろうね」

「この突然の義理の母の言葉に、私は涙が出ました。私はこの言葉を一生忘れられません。もう迷う必要はありませんよ。だって、慰安婦は「募集」だったのですから」とこの日本人の女性はお書きになっているんですね。

「最高責任者」はなぜ心変わりしたのか?

僕は、こうした動きの最中、12月26日(土)の午後、アメリカから最高責任者の携帯電話に直接電話しました。これは「最高責任者」としか申しません。なぜかと言えば、これは公開を前提にした電話じゃありませんから。これは年明けにまたお話ししたいと思いますけれども、この最高責任者が僕と長年話してきた中ではじめて、ややどもられたりしまして。「本当は間違ってるんじゃないか」という本心が、これは僕の個人的感想ですけれども、はっきりうかがえました。

そして、こうおっしゃったんです。

「これまでずっと踏ん張ってきたんだけどね。これで最終決着できると言うもんだから、今回は岸田外務大臣を韓国に行かせようと思う」

「ずっと踏ん張ってきたんだ」というのは、韓国側から、「せめて3億円、日本が国費から出してくれたら、それで最終決着させます」と言ってきて。例えば、村山政権の時にも基金がありましたけれども、それは国民の寄付なんですね。それを日本国民の税金から、3億でいいから出してくれたら、もうそれで諦めると。

これは要するに、国の責任を認めるということになるからですね。

これをいったん、日本政府は拒否して、それが1億円まで下げられたんですよ。そのことを、「これまでずっと踏ん張ってきたんだけどね」と、最高責任者はおっしゃっていたんです。「しかし、あらためて最終決着だというから、もう蒸し返さないというから、手を打つことにしたんだ」と。

では、それがなぜ10億円という話になったのか。

そして、誰がこれを主導してやったのか。

そして、最高責任者の心変わりはなぜ起きたのか。

これは年明けにお話ししようと思います。